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腰痛に心理・社会的因子が関係している

公開日: : 腰痛の知識

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ストレスが大きいと腰痛の発生率が高い

腰痛に心理・社会的因子が関係していることを明らかにした最初の報告が、1995年のスイスの研究者によるもので、椎間板ヘルニアがあっても症状が出ていない人々と、これから椎間板ヘルニアの手術を予定している患者さんを比較しました。

すると、痛みの強い人は、①脊柱菅が狭く神経根がより強く圧迫されていたこと、②仕事上の不満(自分の仕事に対する評価、報酬など)を抱えていたこと、③家庭生活の問題、不安、抑うつ(気分の落ち込み)などの心理・社会的因子を持っていたという3つの違いが判明しました。

それまでは、痛くないヘルニアの存在は分かっていても、なぜ痛くないのかについては誰も知らなかったのです。たとえ椎間板ヘルニアがあっても、神経根の圧迫や仕事上のストレス、不安、抑うつが強いなどの要素がみられない場合は腰痛が起きないことを彼らの研究は結果的に明らかにしてくれました。

2000年に報告された米国の研究では、ストレスの大きいグループ(否定的な言葉で被験者たちを責めた)とストレスのないグループ(肯定的な言葉で誉めた)で、同じ量の物理的な荷重を腰椎に与えた場合にどうなるかを調査しています。

その結果、心理的ストレスを与えたグループに腰痛の発生率が高いこと、外向型に比べて内向型、直感型の性格の人に発生率が高いことがわかりました。

慢性腰痛に多い性格傾向

慢性腰痛に多い性格傾向を指摘する研究者もいます。ひとつは完全主義のタイプです。「この痛みさえなければ仕事ができるのに」といい、日々痛みの点検をして、その行為がかえって痛みを固着してしまいます。

もうひとつは逃避するタイプです。「仕事に自信がない、痛みのせいで集中できないから休みたい」と訴えます。このタイプでは、逃避し始めるとますます自信がなくなり、最後には自分が訴えたいことは痛みなのか自信喪失なのか、自分でもよくわからなくなってしまいます。

3つ目はサド・マゾヒズム傾向を持つタイプです。幼児期から被罰・被虐の体験や、あるいは逆に虐待する側に立った経験(他罰的対人関係) があります。「なぜ私がこんなにつらい目に遭わないといけないのか」という思いから、持っていき場のない怒りがしだいに高じていきます。

 



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