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腰痛には安静が必要なのか

公開日: : 腰痛の知識

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不安や恐怖が強いと痛みが起こりやすい

腰痛といえば、「まず安静」と思っている人も多いでしょう。確かに、腰痛といえば、無条件に安静が勧められた時代もありました。しかし、近年では、非特異的腰痛の場合、安静に過ごすことが、かえって腰痛の回復を妨げ、再発や慢性化を促すことがわかってきました。

多くの研究でそのことがわかってきたため、西欧諸国では、非特異的腰痛の治療法として、「安静臥床(横たわって安静にすること)は勧めない」「患者を安心させ、活動を維持するように助言する」というガイドラインが確立しています。

東京大学医学部付属病院の研究でも、過去1年間にギックリ腰を起こした人のうち、できるだけ安静にするように指導された群と、動ける範囲内で活動するように助言された群では、前者のほうが翌年のギックリ腰の再発が3倍以上で、慢性化する傾向が見られました。

ではなぜ、安静によって、こうした現象が見られるのでしょうか。

それは、「腰痛には安静が必要」という思考そのものが、「動けばまた腰痛が起こるのではないか」という不安や恐怖を強め、過度に腰を守る「恐怖回避思考」につながるためと考えられます。

すると、体を活発に動かさなくなり、腰を支える筋肉・背骨の力や柔軟性が失われます。その結果、腰痛の悪化や再発、慢性化を起こしやすくなるのです。同時に、腰痛への不安や恐怖そのものも、痛みを助長するもとになります。

不安や恐怖が強いと、俗に「幸福ホルモン」と呼ばれる神経伝達物質のドーパミンが出にくくなります。

ドーパミンは、痛みを和らげるオピオイドという物質の分泌を高めますが、不安や恐怖が強いと、このシステムが働きにくくなり、痛みが起こりやすくなるのです。

これらによって痛みが起こると、さらなる恐怖回避思考に陥るという悪循環が生まれるのです。



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