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「浮き指」が治れば転倒も防げて腰痛やひざ痛など体の痛みも改善

公開日: : 腰痛を改善する運動・動作

体操選手も浮き指で地面をふんばれない

足裏をしっかり地面につけて立ち、体を少し前傾姿勢にしてみてください。このとき、足のどの部分に、力が入っていますか。体が倒れないようにバランスを取っているときは、足の指でふんばっているはずです。

手の指に力が人らなければ、物がつかめないように、足指に力が入らなければ、地面をふんばることができないのです。

ところが、立っているときの足裏への体重のかかりぐあいを測定すると、ほとんどの人が足指に体重が乗っていません。いわゆる、足指が地面から浮いている”浮き指”の状態です。これではふんばれないも同然なのです。

スポーツトレーナーの川原剛正さんはこれまで、アスリートからお年寄りまで、数十万人の足を見てきましたが、ほぼ100%の人が浮き指でした。これは、年齢も性別も関係ありません。

そして、歩行障害、転倒から、腰痛、ひざ痛、外反母祉といった症状の多くは、浮き指が原因だと川原さんは考えています。

川原さんが浮き指の弊害に気がついたのは、五輪にも出場した体操選手を指導していたときのことです。ほとんどの選手が着地の際、決まって体が後ろに傾いてバランスをくずしていました。これは、足指でふんばれていない証拠です。着地が重要である体操選手ですら、足指が地面から浮いてしまっているのです。

浮き指が体に多くの悪影響を与えていた

その後、川原さんは、介護施設でお年寄りのリハビリを行うようになって、浮き指の弊害を確信するようになりました。お年寄りを観察していると、いくつかの点で、浮き指が体に多くの悪影響を与えていたのです。

一つめは、歩き方。お年寄り特有のすり足でトボトボと歩く姿。これは足指が浮いてふんばれず、片足で立つのが怖いために、反対の足が上げられず、すり足になってしまうためです。

二つめは、転倒骨折。転倒して大腿骨を骨折し、要介護になるお年寄りが多いのも、足指でふんばれていないためです。ふんばれていれば、転んでもひざを曲げて倒れるので、大腿骨骨折は起こりにくいのです。

三つめが、腰やひざなどへの影響。足指が浮いていると、歩いたときに腰やひざへの衝撃が大きく、腰痛やひざ痛、脊柱管狭窄症にもつながるのです。

四つめが、姿勢の問題。浮き指だと、立ったときの不安定さを改善しようとするため、姿勢が悪くなります。ひざが曲がってO脚になったり、腰が曲がったり、猫背になったりしやすいのです。姿勢が悪くなると、腰やひざにさらに負担がかかるうえ、その結果、肩こりや便秘などにもなります。

五つめが、足腰以外への影響。前かがみで下を向いていると、目から入る情報が少なくなるため、認知機能まで低下しかねないのです。

足指でふんばる必要がなくなった

浮き指は健康をもおびやかす大問題だということが、おわかりいただけたかと思います。

ちなみに、お年寄りの転倒防止用の介護シューズの多くは、つま先が地面から上に反っています。足に物がひっかかってつまずくのを防ぐために、この構造になっているのです。しかし、これでは、浮き指をより加速させてしまうので、逆効果です。

ところで、多くの人が浮き指になったのは、靴をはくようになってからです。靴底と地面の間にできる摩擦が足を支えてくれるため、私たちは足指でふんばる必要がなくなったのです。

また、靴をはくようになって歩き方も変わりました。人間本来の歩き方は、骨格をバランスよく使った「ローリング歩行」といわれています。これは、かかとから着地し、足裏の外側を通って第5措から第1指へと体重を移動し、つま先で蹴り出すという歩き方です。

このように、足指をきちんと使って歩いていると、足裏の真ん中に、縦に「i」の字のくぼみ(センターアーチ)ができます。

80歳や90歳でも元気になっている

ところが、靴をはくことで、足指を使わなくなったため、センターアーチができにくくなっているのです。なかには、足裏が完全に反った状態の「開帳足」の人も見受けられます。

センターアーチがないと足指が地面をとらえにくくなるため、浮き指がさらに進行します。

そして、きちんと足指を使って歩けないため、ますますセンターアーチがなくなるという悪循環に陥るのです。よく、「足のアーチ」というと、土踏まずの反り(横アーチ)ばかりが問題視されますが、歩くときの機能で考えると、センターアーチを作ることこそ、重要なのです。

このような浮き指を治すには、足指の握力をつけることと、センターアーチを作ることがポイントになります。その方法として、川原さんは簡単な運動を指導しています。

要介護者をへらす方法は、浮き指を治すことです。浮き指が治れば転倒も防げて、腰痛やひざ痛など、体の痛みも改善し、しっかり歩けます。はつらつと外へ出歩けられれば、認知機能も高まるはずです。

その結果、80歳や90歳でも、浮き指で歩行困難だった多くのかたが、2カ月足らずで元気になっているのです。今、足が上がりにくい人も、浮き指を治すことから始めてみてください。



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