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セロトニンの分泌を促すウオーキングと呼吸法で腰痛を改善

公開日: : 腰痛を改善する運動・動作

運動や行動によってストレスに働きかける

欧米では、腰痛治療に役立つと認知行動療法への期待が高まっています。治療に有効であることはすでに科学的に証明され、日本整形外科学会がまとめた最新の「腰痛治療ガイドライン」(標準的な治療指針)でもその有用性が記されるようになりました。

認知行動療法とは、うつ病など精神疾患の治療に積極的に取り入れられている、心理療法の一つです。脳の働きにさまざまな悪影響を及ぼす精神的ストレスへの対処法を実践し、心身の症状を軽減しようとするものです。

「3秒!これだけ体操」は、腰の不具合を調整するとともに、脳の不具合にも働きかけます。そのため、認知行動療法の一つの手段として利用してもよいでしょう。

セロトニンが脳内で不足するとイライラしやすくなる

東京大学医学部附属病院の松平浩先生が、腰痛の予防・改善のための認知行動療法として勧めているのが、セロトニンの分泌を促すウオーキングと呼吸法です。

セロトニンとは、私たちの気分を左右する神経伝達物資で、心身の安定や心の安らぎなどと関与することから、「幸せホルモン」などとも呼ばれることもあります。しかし、セロトニンが脳内で不足すると、不安や鬱屈した気持ちが強まり、イライラしやすくなるのです。

セロトニン研究の第一人者である東邦大学教授・有田秀穂先生によれば、「肉体的にリズミカルな運動をする」と、脳内のセロトニンが活性化するそうです。そして、リズミカルな運動の代表的な例として、ウオーキングや自転車こぎ、スクワット、ヨガ、太極拳、座禅による呼吸法などを挙げています。

幸せホルモンを増やすウオーキング

これらのリズム運動を行うことで、セロトニンの分泌を促し、精神的な安定効果がもたらされれば、腰痛を起こしている脳の不具合にもよい影響を及ぼすと考えられます。

松平先生は、忙しい毎日でも、20~30分程度の「セロトニン・ウオーキング」だけは続けています。患者さんに推奨している手前、私が手を抜けないという事情もあります。

セロトニン・ウオーキングで歩くときには、できるだけ頭をからっぼにするように努めます。視点は下げず、100m先を見据えながら歩くのです。やや速足で、周囲の風景をじゅうぶん楽しみながら歩くとよいでしょう。

有田先生のデータによれば、10~15分歩くと脳内のセロトニンが増加してきます。脳内でセロトニンが分泌されてくるところをイメージしながら歩けば、実際に気分が爽快になってくることを実感できます。

また、歩く際には、歩数計を携帯します。もちろん、スマホに入っている歩数計のアプリでも構いません。

歩数計を携帯するのは、「歩数計を携帯すると、確実に活動量が増える」という医学的な根拠があるからです。

歩数計をつけていると、活動量が数字となって現れます。雨の日や時間の取れないときでも、自然と工夫して、歩数を増やす努力をしやすくなるものです。例えば、「仕事中でも、家の中でもこまめに動く」「電車に乗るときは、改札口から遠い車両に乗る」といったことを患者さんに勧め、松平先生も実践しています。

ウオーキング中に、腰に違和感を覚えたら、その場でこれだけ体操をしてください。

それでも腰がスッキリしなかったら、次の体操をしてみましょう。

どこか座れる場所を見つけて座り、足を肩幅よりもやや広めに開き、息を吐きながらゆっくり上半身を倒してください。この姿勢のまま3秒です。

これらを実践すれば、腰の状態がよくなるはずです。

副交感神経が高まるセロトニン呼吸

次に、セロトニンの分泌を促す「セロトニン呼吸」です。

意識的な深呼吸は、肺の下にある横隔膜という筋肉のリズム運動になります。それを一定の時間くり返すことで、先のウオーキング同様に、セロトニンが分泌されると考えられます。

セロトニン呼吸のやり方は簡単です。

①背筋を伸ばして肩の力を抜き、目を閉じる。ゆっくり4つ数えながら、鼻から息を吸っておなかを膨らませる。

②ゆっくり8つ数えながら、少し口をすぼめて息を吐き切る。吸うときよりも、吐くときを意識し、時間も長くすれば、秒数は厳密でなくともよい。

呼吸法を行ってセロトニンが活性化を始めるのが約5分後、じゅうぶんに活性するのに約15分かかるといわれています。

簡単な呼吸法でも、毎日飽きずに長時間続けるのは難しいものです。そこで、松平先生が勧めているのが、携帯音楽プレーヤーの活用です。自分の好きな音楽を聞きながら、呼吸法を行うのです。

呼吸は音楽のリズムに引きずられないように、あくまでもゆっくり行いましょう。このような呼吸は、迷走神経(副交感神経)の活動を高める効果もあり、健全な心身の維持に役立ちます。



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