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腰痛持ちの医師が大きな効果を上げた「骨盤落とし」

手術を受けないことを選択

名古屋駅前にある、ほんべ眼科院長の本部千博先生は、20代のころから、ひどい腰痛に悩まされてきました。

きっかけは、医学生時代のことです。実家に帰省した際、たまたま重い荷物を運んでいる最中に、ギックリ腰になってしまったのです。

それも、かなり重症のギックリ腰でした。立ったり座ったりするという単純な動作ですら、困難なのです。いったんいすに腰を下ろすと、そこから立ち上がるのに、5分、10分とかかってしまいます。

大学の講義が終わり、席から立ち上がろうとしても、なかなか立つことができません。ようやく腰を上げられたときには、すぐに次の講義が始まってしまう。万事がそんな調子でした。

このままでは、日常的な生活が送れない。そう感じた本部先生は、母校の附属病院の整形外科で、一度診てもらうことにしました。診断の結果は、椎間板ヘルニアとのことでした。手術を受けるかどうか悩みましたが、同じく医師であった叔父の助言もあり、本部先生は手術を受けないことを選択しました。

多くの方法を試して唯一腰痛に効いた!

そして、ひと夏の間ずっと安静にしていることで、なんとか腰の状態を回復させることができたのです。

とはいえ、それで完全に腰痛の症状が治まったわけではありません。痛みが引いたあとも1~2年おきぐらいのペースで、腰痛に襲われるようになったのです。

いったん腰が痛みだすと、痛みが治まるまでには数週間もかかります。しかもその間、動くこともままなりません。何をするのにも大変な苦労を要することになります。

すっかり腰痛持ちになってしまった本部先生は、この状態をなんとかしなければとの思いから、自分でもいろいろな方法を試してきました。そのなかで、唯一大きな効果を上げたのが「骨盤落とし」です。

腰の筋肉の緊張が自然にほぐれる

骨盤落としは、太極拳の型の一つである「馬歩(マーブ)」というポーズが基になっています。本部先生は、名古屋で開催されていた太極拳の教室に通い、このポーズを学びました。

やり方は、とてもシンプルです。まず、肩幅に足を開いて直立し、背すじはまっすぐに伸ばします。そして、背すじを曲げないまま、腰を徐々に落としていきます。ある程度まで下ろすと、太ももが緊張して力が入り、つらくなってくるはずです。

我慢できる限界のところまで腰を落としたら、できるだけその姿勢をキープしてください。キープする時間は長ければ長いほど効果的ですが、まずは1分間を目安にするといいでしょう。

腰に違和感を覚えたときや、痛みが生じたときに骨盤落としを行うと、腰の状態がすぐに回復します。それまでは、腰が一度痛みだすと、2~3週間は痛みが続いていました。しかし、骨盤落としを行えば、数日で元の状態にまで回復します。

腰の筋肉のこわばりがほぐれた状態になる

では、なぜ骨盤落としは、腰痛の改善に効果的なのでしょうか。その理由は、筋肉の意識的な緊張と、その緩和にあります。

一般的に、腰痛が生じたときは、腸腰筋(腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉群の総称)など、腰の周りにある筋肉の多くはこわばった状態です。

骨盤落としによって、腰を我慢できる限界にまで落としたとき、太ももの筋肉は強く緊張します。意識が太ももに向くので、太もも以外の筋肉に余計な力が人らず、緊張が緩みます。腰痛の原因となっていた腸腰筋などのこわばりも、自然にほぐれていきます。

骨盤落としをくり返して行えば、このように腰の筋肉のこわばりが常時ほぐれた状態になり、痛みも競和していくのです。

なお、慣れないうちは、骨盤落としは壁を背にして行ってもいいでしょう。後ろに壁があれば、まっすぐ腰を落とすとき、背すじがピンと伸びているかどうかの目安になります。また、後方に倒れる心配がないので安全です。

慢性的な腰痛でお悩みのかたは、ぜひ一度試してみて、その効果を実感してください。



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