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医師が答えてくれる腰痛Q&A その1

公開日: : 最終更新日:2017/10/23 腰痛の知識, 腰痛を予防する生活術

ここでは、腰痛に関する代表的な質問に対して、東京大学医学部附属病院特任准教授の松平浩先生に答えていただきました。

検査したけれど「異常なし」といわれる

Q.長年、慢性腰痛に悩み、整形外科で何度も検査しましたが、「異常なし」と言われます。こんなに痛みがあるのに、異常がないと言われると釈然としません。なぜ「異常なし」と言われてしまうのでしょうか?

A.慢性腰痛のような、多くの非特異的腰痛の場合、腰の画像から、腰痛の原因をはっきりと説明することはできません。そんな場合でも、腰痛はさまざまな要因によって起こります。

例えば、椎間板(背骨を構成する骨の間にあってクッションの役割をするゼリー状の物質)の中央にある髄核が、姿勢の悪さによって後方にズレると、腰の重だるさや鈍痛が起こります。しかし、この髄核の微細なズレは画像ではわかりません。

また、肉体的な疲労などによって、腰周辺の筋緊張が生じ、腰部に痛みをもたらすことがあります。ストレスによって自律神経のバランスがくずれると、それがまた腰部の緊張や血行不全をもたらし、腰の違和感を生じさせることもあるでしょう。これらの変化を画像でとらえることはできません。

くり返しになりますが、一般的な画像所見のほとんどは、腰痛の原因を説明できません。また、今後、腰痛で困り続けるかどうかの判断材料にもならないことが多いのです。

逆に言えば、腰の画像によって医師から否定的な言葉や診断名を付けられたとしても、気にすることはありません。

画像検査で「異常なし」と言われたら、素直に「異常がなくてよかった一と思いましょう。画像検査の否定的な言葉にこだわっても仕方ありません。

コルセットを外すのが心配

Q.慢性腰痛に悩んでいます。松平先生は「コルセットを外したはうがよい」と言いますが、着けておいたはうがらくだし、安心です。どうすればいいでしょうか?

A.コルセットや腰痛ベルトが腰痛に有効だという医学的根拠は乏しいといえます。腰痛に対する恐怖回避思考を助長するからです。「8週間以上コルセットをしていると、腰を安定させている筋肉が衰えてしまう」という最近の研究データもあります。

コルセットや腰痛ベルトへの過度な依存は、腰痛の回復を妨げ、再発するリスクを高めるといえるでしょう。

コルセットや腰痛ベルトは痛みの激しい急性期のみ使用し、できるだけ早めに外すようにしてください。そして、「これだけ体操」などを習慣にして、普段からなるべく体を動かすことをお勧めします。

質問者は、コルセットを外すことが怖いようですが、これこそが腰を過保護にする気持ちの表れであり、典型的な恐怖回避思考です。それを自覚し、思い切ってコルセットを外すことをお勧めします。

→医師が答えてくれる腰痛Q&A その2

→医師が答えてくれる腰痛Q&A その3



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