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腰痛は温めるほうがいいのか、冷やすのがいいのか?

公開日: : 腰痛の治療

科学的な根拠はなかなか見つからない

腰痛のときに温めればいいのか、冷やせばいいのか、という疑問はよく耳にします。温熱療法と冷却療法の論争ですが、腰痛にどちらが有効なのか、科学的な根拠を探してもなかなか見当たりません。

少ない検証例のひとつとしては、3か月ほど続いた腰痛の患者さんに対して温湿布をすると、痛みと機能障害がともに軽快したという研究があります。しかし、この研究では、温湿布の効果を科学的に評価するために比較する群が設定されていませんでした。

治療法の効果を客観的に評価するには、その治療法を行った群とニセの治療群(対照群)の2つを比較する必要があります。

温湿布の場合、温かくない湿布(対照群)をされれば当然、被験者にわかってしまい、対照群としての役割を十分に果たせません。つまり、対照群を設定するのが難しく、その結果、先の研究結果も科学的にはやや低い位置づけになってしまいます。

効果ありとした他の研究では、企業からの経済支援を受けており、こうした研究では企業に有利な結果が出やすいため、やはり問題となります。

慢性の腰痛は温め、急性の腰痛は冷やす?

一方、冷却療法の研究は驚くほど少ないのです。そのため、ある研究チームでラットに炎症性反応を起こさせ観察しました。

その結果、アイシングは炎症性反応の進行を明らかに抑制し、このときに炎症性の療病も軽減させたと推測でき、炎症が起きてすぐに冷やすことには意味があるかもしれないと示唆されました。逆に言えば、腰痛発生後、素早く治療しないと冷やしても意味がないということになります。

ただ、いくつかの実験結果によると「神経組織の血流改善と、腰の痛みの解消との間には相関性が示される」という報告があります。温めることは血流を良くすることにつながりますから、慢性腰痛の軽減になんらかの効果が期待できるといえるかもしれません。

また、「慢性の炎症には温めるほうがよく、急性の炎症には冷やすことがよい」といえるかもしれません。ただし、複雑な要因が関わっている腰痛にはどうなのか、どうも明確には答えられません。今後の研究を待ちたいと思います。



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