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世界各国の腰痛患者に認知行動療法が使われるようになった

公開日: : 腰痛の治療

以前からその有効性は認められていた

慢性腰痛の患者さんに対して認知行動療法が初めて実施されたのは、第二次世界大戦後に米国の麻酔科医によるもので、1960年代には彼のチームに精神科医と心理学者が加わったという文献があり、ずいぶん以前からその有効性は認められていたようです。

その流れを加速したのは、2004年に制定されたヨーロッパの腰痛ガイドラインです。このなかで「長引く腰痛」に対して、認知行動療法の治療プログラムが推奨されたことで、現在では、世界各国の腰痛患者さんにこの療法が使われるようになりました。

その有効性についての研究も数多く行われ、最近では、2010年2月に医学雑誌「ランセット」の電子版に、「認知行動療法の実施は慢性腰痛の症状を緩和する可能性がある」という報告が掲載されました。

腰痛の患者さん701名を対象として、運動と鎮痛薬を用いた標準治療群、標準治療と併用して6回のグループセラピーを行った認知行動療法群の2つをイギリスの研究グループが比較研究したものです。

腰痛のために避けていた運動を再び楽しむ

開始時と1年後の検討では、標準治療群に比べて認知行動療法群のほうが、腰痛に関する障害の度合いをみる検査で改善度が高いことがわかりました。

研究者のひとりは「持続する腰痛患者さんが痛みのために活動を避けていたら、徐々に体を動かすことが少なくなり凝りや筋力低下で腰痛が悪化するという悪循環に陥ってしまう。患者さんにこの悪循環を気付かせるには、認知行動療法にもとづいた個別またはグループでのセラピーが有用だったことがわかった。腰痛のために避けていた運動を再び楽しみ、その恩恵を受けられるようにした」と述べています。

腰痛の治療法の中で、「効く治療法」でもその有効性は限定的であり、期待が持てるのは運動療法と認知行動療法ぐらいでしょうか。医学が進歩しながらも腰痛の治療成績が向上していないのも儲けたことと思います。



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